福井県などに伝わる郷土料理「ぜいたく煮」をご紹介します。ぜいたく煮とはいったいどんな料理なのでしょうか。その魅力に迫ります。
ぜいたく煮ってどんな物?
たくあんのぜいたく煮は、福井県をはじめ、北陸地方や近畿地方で古くから親しまれてきた郷土料理のひとつです。そのまま食べても美味しい大根の漬物をわざわざ手間暇かけて煮物に仕上げることから、ぜいたく煮と呼ばれるようになったと言われています。一般家庭で日常の食卓に並べて食されるたくあんを煮物にすることで、ひと味違った深みのあるリッチな味わいを生み出すのが、ぜいたく煮物ならではの特徴であり、魅力でもあります。
ぜいたく煮を作ってみよう
ぜいたく煮の作り方は地方によって異なりますが、基本的にはたくあんを塩抜きにしてから出汁を使って煮て作ります。調味に使われるのは、醤油や砂糖、酒、唐辛子など、一般的に煮物を作る際によく使われる調味料です。主役のたくあんも、使用する調味料も、全国各地のスーパーで取り扱っている物ですので、ぜいたく煮には馴染みがない人でも、福井県で親しまれてきた郷土料理を自宅で再現して味わってみるのは、難しいことではありません。
ぜいたく煮を作る際には、まず下拵えが必要です。たくあんを3ミリ程度の輪切りにして水に漬けて塩抜きします。大根の太さが太い場合は、輪切りではなく、半月切りにした方が食べやすいでしょう。大きめの鍋にたっぷり湯を沸かし、そこに塩抜きしたたくあんを入れて茹でこぼし、ざるにあげたら、下拵えは完了です。下拵えができれば、いよいよたくあんを煮る作業に入ります。鍋にたくあん、出汁を入れ、酒、醤油、砂糖等で調味し、30分ほど煮て下さい。たくあんの塩分量によって、塩抜きの時間や味付けを調整するのが、美味しく作るコツです。
たくあんが煮上がったら、かつお節やゴマ、七味唐辛子などをあしらうと、より風味良く仕上がります。熱々のままでも食せますが、いったん冷ますと、冷めていく間に味が馴染んでゆき、深みとコクのあるぜいたく煮を味わうことができます。
ぜいたく煮を気軽に味わおう
ぜいたく煮に使うたくあんは、そのまま食べて美味しい状態のたくあんよりも、酸っぱくなってしまった古漬けのたくあんの方が向いています。たくあんをわざわざ煮物にするのはもったいないと感じている人もいるかもしれませんが、漬け過ぎてしまった漬物を美味しくアレンジして食べる技術だと考えると、昔の人の知恵が生かされた素晴らしい食べ方だということが分かります。たくあんの古漬けを塩抜きにしただけで食卓に並べるよりも、塩抜き後に煮物にすることで、ぜいたく感や特別感をプラスし、おかずとしてもおつまみとしても喜ばれる逸品に仕上げてあるのが、ぜいたく煮の特徴です。
たくあんのぜいたく煮は、基本的な作り方さえ知っておけば、気軽に作って楽しめる郷土料理です。冷蔵庫に残っている食材が少ないけれど、もう一品おかずが欲しい時や、晩酌に合う酒の肴を作りたい時、たくあんを活用してぜいたく煮を作ってみて下さい。ぜいたく煮の基本の作り方をマスターできたら、ちょっとしたアレンジを加えると更に美味しく食べることができます。煮物にコクを出したい時には、塩抜きしたたくあんをごま油で炒めてから煮る、調味に味噌や酒粕を加えるといったアレンジをすると良いでしょう。食べ方のアレンジとしては、ぜいたく煮をご飯の上に乗せてから、お茶を注いでお茶漬けにして食べるのがおすすめです。
たくあんのぜいたく煮の楽しみ方
福井県などで親しまれてきたたくあんのぜいたく煮の特長が伝わりましたでしょうか。ぜいたく煮を作るのには、特別な材料や調味料が必要なわけではなく、誰もが手軽に作れる料理ですので、ぜひ自宅で作ってみて下さいね。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 福井県などに伝わる郷土料理「ぜいたく煮」に使われる材料は?
A.たくあん