国内で一番日本酒を生産している都道府県と言えば、どこを思い浮かべますか?日本酒だからやはり米どころ、そして美味しい水があることも欠かせません。新潟県や秋田県に山形県、北海道と言ったところでしょうか。しかし、これらはどこもハズレ。平成25年に日本酒が1番多く作られた県をご紹介しましょう。
地域ごとに特色ある日本酒がある
実は全国的にも有名な酒蔵もがたくさんある兵庫県が、日本酒の生産量1位なのです。兵庫は「兵庫五国」と呼ばれ、県内の多くの地域で日本酒の生産が盛んに行われています。奈良時代初期に米麹を用いた酒造りの製法が日本で初めて行われた「播磨」、清酒発祥の地である「伊丹」、日本三大杜氏の一つ「丹波」、地酒の歴史も古く約300年前から創業する老舗も多くある「但馬」、兵庫県で最大の日本酒生産地「灘五郷」。日本酒好きな人でもなくても、聞いたことがあるのではないでしょうか。
美味しい日本酒が生産される三条件が揃った兵庫県
日本酒の8割を占めている成分が「水」です。兵庫県には各地に名水があって、名水どころ=銘酒どころとして知られています。その中でも灘の「宮水」は近畿では珍しく軟水と硬水の中間にあたる中硬水であり、麹や酵母の成長を促すリンやカリウム、カルシウムが一般的な水よりも豊富に含まれており、そのうえ鉄分がほとんどないという酒造りに最適な名水なのです。
もちろん「米」も重要です。酒造りには、私たちが普段食べているお米とは区別される「酒米(さかまい)」が使われます。兵庫県は酒米の王者とも評される「山田錦」の発祥地なのです。山田錦は日本酒造りの最適で普通のお米とは大きく違う特徴があります。具体的には、心白が大きいので日本酒を製造した後の雑味が少なく、スッキリした味わいを楽しめるのです。これを原料に、香り高く極上の酒が造られます。
また兵庫県内には他に、「五百万石」、「兵庫北錦」、「フクノハナ」、「兵庫夢錦」等々の高品質な酒米が生産されており、これらのお米から、酒蔵ごとに個性豊かな美味しい日本酒が生産されているのです。
そして酒造りを担う酒蔵で働く蔵人たちの長であり、酒造りの一切を取り仕切る「杜氏」も忘れてはなりません。兵庫には、その歴史の長さや銘酒の産地・灘の名を日本中に轟かせた技術力を評価された「丹波杜氏」を有しています。その伝統の技が、兵庫の銘酒を造り出しているのです。
様々な日本酒の味が楽しめる兵庫県
兵庫県には、北兵庫・丹波篠山・姫路・社(やしろ)・加古川・明石・伊丹・灘五郷・淡路の9つの酒造組合があり、気候や風土などがそれぞれ異なるため、地域や蔵元によって味や飲み口はさまざまにあります。
兵庫県内の日本酒を飲み比べてみても、辛口・甘口、そして味の濃淡など、多種多様な違いを楽しめます。また、ずっと昔から盛んに日本酒造りが行われたことから、その歴史を巡り各地の銘酒を味わうこともできます。
日本酒をじっくりと楽しめる2日間のイベント
日本酒の仕込みが始まる「日本酒の日(10月1日)」に合わせて、10月に2日開催されるのが「西宮酒ぐらルネサンスと食フェア」。メイン会場となるのが副男選びでおなじみの西宮神社です。西宮を中心に灘や伊丹の酒造メーカーの日本酒が勢揃いし、多種多様な日本酒の飲み比べができるのです。
もちろん美味しいグルメもたくさん食べられます。「酒蔵鍋」やアジア料理、そのほか様々な屋台が並びます。パレードや神楽に大道芸などのイベントも目白押し。毎年、サテライト会場を含めると10万人以上の来場者であふれる大イベントです。
※2020年は開催されません。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 平成25年、日本酒の生産量1位の都道府県は?
A. 兵庫県