餃子といえば、栃木県のとある市と静岡県の浜松市。両者が毎年餃子の年間消費量ナンバーワンを争っていて、どちらもおいしい餃子を食べられる地域です。今回は栃木県の餃子に焦点を絞って、その特色や歴史について紹介します。
宇都宮餃子の特徴
宇都宮餃子は、宇都宮餃子会が2002年に商標登録した宇都宮地域のブランドです。宇都宮餃子は焼き餃子、水餃子、揚げ餃子などのさまざまな種類があり、実は明確な定義がありません。店舗によって味は異なっているのです。その工夫はつけダレなどにまで及びます。しいて共通点を挙げるとすれば、野菜が多く甘みがあるということでしょう。なお、栃木県では、餃子に欠かせない野菜である「ニラ」の年間生産量が日本一です。
宇都宮では餃子の専門店が多いことが特色です。しかも、メニューには餃子しかない店舗が多いのです。ご飯もないところがあるようです。注文の仕方としては焼き餃子1枚、水餃子1枚の場合は「やき1、すい1」と頼むのです。この街には「餃子の街」の象徴とも言える「餃子像」もあります。この餃子像は、ビーナスが餃子の皮に包まれた姿が表現されています。柔らかく加工がしやすいことで有名な地元産出の「大谷石」で作られているのが特色。そのデザインは、現代彫刻家の西松鉱二氏により手がけられました。
参考までにこの餃子像は、2008年までJR宇都宮駅東口広場に設置されていましたが、西口バスターミナルの移動に伴い、餃子像が移動されたのですが、その際に脚と胴体部分が割れてしまうという悲劇に見舞われました。しかし、現在では、修復作業をすると共に表面を綺麗に磨き、西口ターミナルに移転設置されています。
宇都宮餃子の歴史
栃木県の県庁所在地である宇都宮市に餃子が伝わったのは1940年以降のこと。満州から帰国した宇都宮の軍人が製法を持ち帰ったことが始まりと言われています。また、宇都宮は夏暑く冬は寒い地方である内陸型気候のため、スタミナをつけるために餃子の人気が高まったと言われています。大戦後に初めて店舗での餃子提供が始まりました。JR宇都宮駅の近くの「宮茶房」が元祖と言われていて、その後、宇都宮市内の多くの店や屋台が餃子の提供を始めました。宇都宮で餃子が広く普及したことの理由の一つとしては、小麦やニラを調達しやすかったことによります。
1993年には、市内餃子専門店の38店舗により宇都宮餃子会が発足し、現在は約80店舗が加入しています。現在ではすっかりと餃子のまちとして定着し、年に一度宇都宮の餃子ファンへの感謝の気持ちを込めて、毎年11月の第一土曜日には「宇都宮餃子祭り」が開催されています。2015年には2日間で18万人の来場者を迎え多くの人々で賑わいを見せました。また、2016年の5月には全国のご当地餃子が出店する「2016全国餃子サミット&全国餃子祭りinうつのみや」が開催されました。
どこで食べられる?
さて、宇都宮餃子はどこで食べられるのでしょうか。実は、宇都宮餃子は市内各所で食べることが可能です。宇都宮餃子会のホームページでも店舗の案内をしています。宇都宮餃子会では、宇都宮餃子会に加盟する約30店舗の味を日替わりメニューで味わえる「来らっせ」を出店していますので立ち寄ってみてはいかがでしょうか。各お店でいろいろな味付けとなっているため、各種店舗の味を楽しめるのはとても貴重なことです。なお、自宅で味わいたいという人には、「来らっせ、おみやげ専門店パセオ店」という店舗が、宇都宮市川向町1丁目のパセオ2階にあります。
いろいろな味が楽しめる宇都宮餃子
栃木県の宇都宮は小麦粉やニラなどを入手しやすく餃子を作りやすい環境にあるため、餃子は広がりました。餃子が流行したのには気候的な要因もあります。宇都宮では毎年11月に餃子祭りが開催されているので是非行ってみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 餃子のまちとして有名な、栃木県の県庁所在地は?
A.宇都宮