卵とお出汁の風味が豊かな「茶碗蒸し」は人気メニューのひとつです。実は、鳥取県の西部にはとある食材を入れる珍しい茶碗蒸しがあるのだそうです。それは一体なんでしょうか?
「春雨」が入った茶碗蒸し?!
食のみやこを謳う鳥取県には、さまざまな自慢の料理や食材があるのですが、実は米子市を中心とした鳥取県西部にのみ当たり前となっている局所的なご当地グルメがあります。
それは茶碗蒸しです。しかしただの茶碗蒸しではありません。なんと全国的にも珍しい「春雨」入りの茶碗蒸しなのです。
茶碗蒸しの中に春雨を入れることは、こちらの地元の方々にしてみれば常識なのだそう。
春雨を入れることで茶碗蒸しの味が薄まるのでは、という心配はご無用です。茶碗蒸しの醍醐味とも言える、お出汁の利いたプルプルの卵の味がしっかりと春雨にも行き渡り、しかも食べ応えが増して満足感がある一品に仕上がります。
ツルツルの春雨とプルプルの玉子に鶏肉や銀杏、三つ葉などのおなじみの食材が香りや歯ごたえが非常にマッチして非常に美味しく、お子様から年配の方まで食べやすい茶碗蒸しです。
お箸でツルツルっと。「春雨」入りの茶碗蒸し!!
そんな「春雨」入りの茶碗蒸しは、麺類の食事と言っても過言ではありません。ちょっと短めの春雨を使用するとは言え、匙ではなく「お箸」でいただくのがこの地方の定石なのです。
そもそもなぜ「春雨」を入れるようになったかというと、鶏卵がまだ高価だった頃に嵩増しの目的で入れていたのでは、と伝わっています。ですので、この辺りでは「春雨」だけではなく「うどん」や「糸こんにゃく」を入れるご家庭もあるのだとか。昔はこの春雨も細くてかためのものではなく、太くて柔らかいものを使っていたそうで、ますます「麺類」に属しそうなご当地茶碗蒸しです。
各家庭で作られているのはもちろんですが、なんとスーパーにも春雨入りの茶碗蒸しが並んでいて局所的ではありますが購入も可能です。
テレビで取り上げられたことからこの「春雨」入りの茶碗蒸しの知名度があがり、飲食店にて提供する地元のお店もあるのだそうです。ぜひ米子や松江付近を訪れることがあったらチェックしてほしい個性的なメニューです。
茶碗蒸しにマッチする鳥取のうまいもの?!
さて、一般的な茶椀蒸しの具といえば、鶏肉に銀杏に三つ葉にしいたけ、エビなどが思い当たります。個性的な「春雨」以外の具材においても、鳥取県には地元の味覚で彩った取り組みもあるようです。
鶏肉…鳥取といえばの大山鶏。歯ごたえの良さが自慢で、卵料理の茶碗蒸しとも相性は抜群です。
カニ…高級食材にはなってしまいますが、鳥取では味覚の王者・松葉がにや境港で水揚げされるベニズワイガニが有名です。美味しさはもちろんのこと、茶碗蒸しに少しでも入っていればテンションがあがること間違いありません。
エビ…実は鳥取ではモサエビという海老が獲れます。正式にはクロザコエビという名前の甘味抜群の海老ですが、劣化が早いため地元以外には出荷されない幻の海老です。もちろん茶碗蒸しに使われれば旨味は最高です。
ネギ…鳥取西部の自慢と言っても過言ではない白ネギは昭和初期から栽培が始まり、今では約10種類ほどの品種を使い分けて栽培をしています。鳥取県は年間を通して美味しいネギが収穫できるネギ王国でもあるのです。茶碗蒸しにも良いアクセントとなります。
きのこ類…実は鳥取県には国内唯一の「きのこ」の専門研究機関「日本きのこセンター」があります。鳥取のひいては全国のきのこ類の現在の美味しさと未来における可能性を担っています。特に鳥取県においてしいたけのブランド化を推進しており期待が高まります。鳥取県のきのこと茶碗蒸しの相性ももちろん文句なしの相性です。
さすが「食」が自慢の鳥取県。一見、マイナーな「春雨」入りの茶碗蒸しにも、自慢の美味しさをまだまだふんだんに詰め込むことが出来る可能性がありました。
ザ・ご当地検定の問題
Q.鳥取県の西部で、茶碗蒸しに入れられることが多い食材は?
A.春雨