食べることが好きで、全国の郷土料理巡りをしている人は多いでしょう。郷土料理といってもさまざまなものがあり、たとえば福岡県であれば、コラーゲンが豊富で美容によいとされる水炊きがあります。ほかにも、北海道では羊肉を使用したジンギスカンや、豚の耳を食材とした沖縄のミミガーなど、挙げるときりがありません。そんな郷土料理の中から、今回は鳥取県の郷土料理をご紹介します。いったいどういった料理なのでしょうか。
鳥取県について詳しくなろう!
鳥取県は日本海側にある中国地方の県で、面積は日本国内で7番目に小さいことでも知られています。気候としては、春と秋は天気に恵まれることがほとんどで、夏はフェーン現象により、暑い日が続くケースがよくあります。冬に関しては、雪や雨がたくさん降るものの、平野部の1月の平均気温は4度程度とそれほど寒くはなりません。なお、鳥取県では全域で豪雪地帯となっており、大山周辺は雪がよく降ることでも有名で、寒い日はマイナス15度を下回ることもあります。
産業に関しては、全体の70%以上が森林となっていることから林業が盛んです。八頭郡智頭町では杉の造林が昔から行われており、育てられた杉(智頭杉)は建築材や内装材として全国的に使用されているのです。さらに、農業も鳥取県では盛んで、二十世紀梨、らっきょう、スイカなど数多く生産されています。二十世紀梨は青梨の代表品種で、糖度は低くさっぱりとした甘さを楽しめることから人気です。また、カニがよく捕れることでも知られており、特に松葉ガニ(ズワイガニ)は冬の味覚として幅広く親しまれています。
それから、鳥取県には数々の有名スポットがあり、そのひとつとして鳥取砂丘があります。鳥取砂丘は日本で最も大きな砂丘で、1955年に国の天然記念物に指定され、2007年には日本の地質百選に選ばれたほどです。この砂丘では散策を楽しめるほか、サンドボードやパラグライダーを体験できるようになっています。また、水木しげるロードも多くの観光客が訪れるスポットとして有名です。このロードは鳥取県境港市にある観光対応型商店街で、水木しげるの世界が広がっています。たとえば、177体の妖怪ブロンズ像が立ち並んでいたり、鬼太郎の家があったりなど、見どころはさまざまです。
交通に関しては、山陰本線や伯備線、因美線などの鉄道が通っており、県内の各エリアを移動しやすくなっています。東浜駅から米子駅まで移動するなら、山陰本線を使えば2時間程度です。上石見駅から伯耆大山駅へ行く場合には、伯備線を利用して約1時間半、鳥取駅から那岐駅へ向かうなら、因美線で約1時間40分ほどかかるでしょう。ほかにも、鳥取市内を運行する「くる梨」という循環バスがあり、鳥取駅を起点として3つのルートを運行しています。日本交通や日ノ丸自動車では高速バスを扱っており、他県へ費用を抑えてアクセスする際に便利です。
食べる前にまずは知識から!いただきってどんな料理なの?
いただきは鳥取県西部・弓ヶ浜半島を中心に、老若男女を問わず愛されている郷土料理です。この名前は、米が貴重だった当時に人からもらう際に「頂く」という感謝の気持ちがあったことが関係しているといわれています。野菜や生のお米を油揚げの中に詰めて作られるので、見た目はいなり寿司と見間違えるほどです。いただきは腹持ちがよいことから、以前は農家が空腹をしのぐために作られていました。しかし、月日が経つにつれ、祭りやイベントがあった際に、一般家庭でも料理されるようになったのです。なお、昔は米をあまり使わずに済むよう、具材を多めにして作られていました。
いただきは、またの名を「ののこめし」とも言い、この名前は「ぬのこ」が由来となっています。以前より、弓ヶ浜半島では「浜綿」という綿の栽培が盛んに行われていました。その綿が使われた半纏を「布子(ぬのこ)」と呼ぶようになり、そのふっくらとした様がいただきと似ているとされていたのです。そして「ぬのこ」というワードが徐々に形を変えていき、最終的に「ののこめし」や「ののこ」になったというわけです。
現地に行かなくてもよし!いただきをネットで購入できる店とは?
いただきを商品として販売する店がいくつかあるなかで、こめや産業はネット販売を取り入れていることから、全国に利用者は数多くいます。この会社では、いただきを「ののこめし」として販売するほか、いわしつみれもセット商品として取り扱っています。鳥取県境港市に会社を構えるこめや産業は、1951年に米屋商店を開業し、食料品や塩の販売をスタートしました。それから、タバコや酒類の販売を経て、1980年に有限会社こめや産業を立ち上げたのです。
いただきのネット販売は、小サイズと大サイズ、お試しセット、贈答用の4点です。小サイズは4つ入りの袋が3パックで計12個、大サイズは2個入りの袋が3パックで、合わせて6個のいただきを楽しむことができます。お試しセットには、袋(小サイズのいただきが2個)が6パックで計12個、贈答用は袋(小サイズのいただきが2個)が5パックで、合わせて10個のいただきが入っています。どの商品も賞味期限は冷凍で90日間です。電子レンジ(500Wから600Wまで)で約5分、または湯せんで10分ほど温めてから食べられます。
支払い方法は郵便振替や銀行振込、代金引換のいずれかから選択可能です。郵便振替または銀行振込を利用する場合、注文した次の日から1週間以内に、指定の口座へ振込むことになります。その期間を過ぎても振込していなければ、注文はキャンセルとなるので注意しましょう。代金引換を選ぶなら、商品代金に送料と手数料を加えた金額を、ヤマト運輸に支払うことになります。なお、配達時間の指定は「14時から16時」や「16時から18時」をはじめ、計5つの中から選ぶことができます。
いただきのレシピはずばりこれだ!
自宅でいただきを作るなら、油揚げを4枚、米を1カップ、人参とゴボウをそれぞれ4分の1本、干ししいたけを2枚準備します。さらに、しょうゆと砂糖、みりんをそれぞれ大さじ2杯、酒を大さじ1杯、水を2カップ、こんぶだし(粉末状)を5g、かつおだし(粉末状)を2.5g用意しましょう。準備し終えたら、まずは洗った米を水に浸し、30分以上経ってから水分を切ります。そして、干ししいたけを戻す作業に移りますが、冷水を使うことで外に旨味が逃げにくくなります。干ししいたけを戻しているあいだに油揚げを半分のサイズにカットし、油を取り除いてから具材を包められるよう切り開いておきましょう。
そのあとに人参を千切りに、ゴボウはささがきに、干ししいたけは細切りにします。すべてをカットし終えたら、具材と米をしっかり混ぜてから膨れすぎない程度に油揚げに詰め、中身が出ないようつま楊枝でとめましょう。つま楊枝を上にして鍋に並べ、残りの材料すべてを加えてから強火で沸騰させます。沸騰したのを確認できたら、中火から弱火と段階を踏んで火力を弱め、しばらくのあいだ加熱を続けてください。火を止めたあとは味が染み渡るように放置し、ある程度時間が経ったら皿に盛り付ければいただきの完成です。
どの方法でもよし!いただきを食べたことがないなら一度食べてみよう
いただきは鳥取へ行った際に、お土産として購入して帰るというのも楽しみ方としてはよいかもしれません。しかし、日常生活を送るなかで、いただきをふと食べたくなることもあるでしょう。そんなときには、こめや産業でネット販売をしているので、注文すれば現地に行かなくてもいただきを味わうことができます。ただし、ネット販売は届くまで日数がかかるため、それが待てないなら、自分で作ることでその日のうちに食べられるでしょう。いただきを食べられるまでの過程はさまざまあるので、自分の好きな方法で味わってみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 油揚げの中に米や野菜を入れ、だし汁で炊き上げて作る鳥取県西部の郷土料理は?
A.いただき
Q. 油揚げに米や野菜を入れ、だし汁で炊き上げる鳥取の郷土料理「いただき」。別名をなんと言う?
A.ののこめし
Q. 鳥取県の「鳥取砂丘」が、国の天然記念物に選定されたのはいつ?
A.1955年