島根県で作られている魚肉製品の「赤てん」に練り込まれているものは?

島根県西部を代表するソウルフード「赤てん」。蒲鉾をパン粉で揚げた食品なのですが、魚のすり身と一緒に練り込まれているものは一体何でしょうか?

島根名物「赤てん」に練り込まれているものは「赤唐辛子」?!

島根県西部に位置する県内屈指の港町、浜田市。この浜田名物として地域のソウルフードに挙げられるのが「赤てん」です。
ハムカツのような見た目で、赤く平べったい長方形のフライなのですが、正真正銘の練り物商品で、魚のすり身に赤唐辛子を加えたものを成型し、パン粉をまぶして揚げられています。切ってみると断面は真っ赤。その辛そうな見た目よりは辛さは控えめで、ピリ辛の美味しさなのです。
朝ごはんから晩酌のお供までと活躍することから、県内のスーパーには当たり前に置いてあり、練り物商品の冷蔵棚にはずらりと陳列されているほどに、島根県民に愛されているおかずなのです。
フライパンで焼いて食べてみると、焦げ目のついた衣はカリカリ、中はふわふわ、そして徐々にくる赤唐辛子のピリ辛が、やみつきになること間違いなし!島根県ではノドグロに並ぶ、自慢の一品なのです。

ハムカツの代用品として作られた、港町の「赤てん」!?

日本海を臨む島根県浜田市は、山陰地方有数の水産都市です。県最大の漁獲量を誇る浜田漁港にはアジ、ノドグロ、アンコウなどさまざまな魚介類が水揚げされます。
そんな港町で生まれた「赤てん」は、見た目だけではなく本当にハムカツの代用品として、ハムカツに似せて作られたのだとか。
戦後のまだ食糧難だった時代、肉の代わりに魚を使った「魚肉ソーセージ」が大ヒットしていました。それに対抗して、浜田市の蒲鉾店がハムカツに似せた「赤てん」を考案、販売しました。浜田市オリジナルの揚げた蒲鉾は、まさにハムカツのように粗目のパン粉にまぶされ、カリっと揚げられています。それを個包装した後、スーパーなどの冷蔵品として販売されています。

赤唐辛子に食紅を加えて赤色を再現?!

「赤てん」断面の真っ赤な色は、実は赤唐辛子だけではなく、食紅も加え、よりハムに見えるように工夫がされているそうです。
魚がとびっきりに美味しい浜田の「赤てん」には、スケソウダラを始め、タチウオ、エソ、イトヨリなどの白身魚の練り物がベースになっており、素材の旨みがたっぷりで、フワフワ柔らかな美味しさです。地元ではフライパンで焼いて焦げ目をつけ、マヨネーズで食べるのが定番です。
ご飯が進むピリ辛の味付けは、家庭だけではなく居酒屋メニューとしても人気です。

「赤てん」の食べ方いろいろ…?!

そんな「赤てん」は、買ってそのままで食べるよりも焼いたり炙ったりする方が断然美味しくいただけます。フライした練り物を冷やして販売されていることから、油分が多く感じられ、べちゃっとした印象を受けるかもしれません。なので「赤てん」を知らない人が冷蔵品の売場で発見しても、果たしてこれがソウルフードと呼ばれるものなのか、と理由がわからないかもしれません。
ポイントとしては、すでに油で揚げてあるので、フライパンで焼く際、油は引かずに軽く焦げ目をつけていきます。焼いたり炙ったりすることでカリカリ感が蘇ってきます。カリっとした衣の歯ごたえと、ふわふわもちもちの魚のすり身の食感、そして食欲をそそる赤色でちょっとピリ辛の美味しさがたまりません。
もちろん焼いてそのままでも美味しく、マヨネーズをかけたり、醤油をかけたりも地元のみなさんのおすすめの食べ方なのだそうです。
他にも、すでに揚げられている「赤てん」を磯部揚げにした、二度揚げもお酒によく合うそうです。
米も酒も進むピリ辛の味付けは、卵でとじて食べ応え満点の赤てん丼にも。
チーズを乗せて焼けば、辛みを抑えまろやかになり、こどもにも食べやすい一品に。
赤てんを温かい蕎麦にトッピングしても美味しく、食べ方が無限大なのです。
さくさくもちもちの浜田のソウルフード。食卓にも外食にも、お弁当のおかずにおやつにも、そしてお土産にもと万能で、 今や島根県を代表する名物になりました。

ザ・ご当地検定の問題

Q.島根県で作られている魚肉製品の「赤てん」に練り込まれているものは?

A.赤唐辛子