「農山漁村の郷土料理百選」にも選定されている大阪のお雑煮とは?

全国の農山漁村に伝わる郷土料理を選出した農山漁村の郷土料理百選には様々な料理が選ばれており、大阪府のある郷土料理が認定されました。そこで今回は、そのお雑煮について紹介します。

認定されたのはどんなお雑煮?

そのお雑煮は「白みそ雑煮」といいます。白みそ雑煮とは、白みそで作られた味噌汁に丸餅・形を整えて切った大根やニンジン、サトイモなどを加えて煮込んだ雑煮のことを言います。白みその上品な味噌の味わいが特徴で、形を整えて切られた野菜と丸餅は子供から高齢者まで幅広い世代が食べやすいように工夫されています。また、みそを使うので濃厚な風味になっていて、澄まし汁で作られた雑煮とはまた違った味わいであるところも特徴です。正月に食べられることが多いですが、家庭によっては正月以外にも縁起がいい時に食べるというところもあります。

昔から大阪府を中心とした関西圏では正月に食べるお雑煮は味噌で味付けをするのが習慣だったと言われており、その中でも大阪府では白みそを使った味付けが一般的だったと言われています。このような点から農林水産省より農山漁村の郷土料理百選に選ばれ、子供から高齢者までなじみ深い郷土料理として親しまれているようです。基本的に家庭料理として提供されていることから観光客向けのメニューではありませんが、正月などシーズンによっては旅館や飲食店などで提供されることもあります。

白みそ雑煮の歴史や由来

元々関東と関西ではお雑煮の味付けが異なっており、武士社会であった関東ではお雑煮に味噌をつけることが失敗するイメージに繋がっていたとされています。このため関東ではしょうゆベースの澄まし汁のようなお雑煮が主流となったのですが、関西は武士社会ではなかったこと・農民が多かったことからお雑煮に味噌をつけることに抵抗がなかったのではないかと言われています。また農民が多かった関西では贅沢をすることは悪いことだと認識されていたため、お雑煮に使用されている具材もシンプルです。

そして何故白みそのお雑煮なのかというと、贅沢をしていることを隠すためだったと言われています。農民が多かった関西や大阪府では贅沢は悪いこととして禁止されていたものの、正月くらいは贅沢をしたい・お雑煮くらいは豪勢にしたいと考えていた人が少なくなかったようです。ただ具材を豪華にしてしまうとすぐにばれてしまうため、お雑煮に使う味噌を高級なものにしてこっそり贅沢を楽しもうと考えていたとされています。実は江戸時代頃は白みそは高級品として扱われていたようで、そんな高級品を使った正月のみの贅沢な料理として定着していったのです。

白みそ雑煮の作り方

白みそ雑煮は大阪府をはじめとした関西では正月の家庭料理として定着しているため、家で作っているところがほとんどです。作り方としては、まず野菜を全て形を整えて切っていきます。実は野菜の形を整えたり丸餅を使う理由は、角が立たないようにする・物事を丸く収めるという意味があります。そのため白みそ雑煮の具材は全て角を取って丸く整えることが基本で、大きさとしては一口大程度でいいようです。切った野菜と丸餅、家によっては鶏肉などを入れて煮込んで柔らかくなったら、出汁と白みそを加えて完成です。

レシピとしては普通のお雑煮やみそ汁と変わらないため、具材は形を整える点と丸餅を使う点を意識すれば後は好みでアレンジすることができます。またポイントとしては、白みそをたっぷり使うことで濃厚な味に仕上げることだと言います。

白みそ雑煮は歴史を感じるお雑煮

白みそ雑煮は農山漁村の郷土料理百選に選ばれた大阪府の歴史を感じるお雑煮で、古くから正月の関西の味として地元の人たちから親しまれています。正月シーズンであればお店でも食べられることがありますし、自宅で簡単に作れるので挑戦するのもおすすめです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「農山漁村の郷土料理百選」にも選定されている大阪のお雑煮は?

A.白みそ雑煮