鹿児島県奄美群島に古くから伝わるおもてなし料理は?

九州から南に約380km、沖縄と九州の間に浮かぶ鹿児島県の離島、奄美群島。観光地としても人気の奄美群島ですが、もし旅行に行かれた際には、ぜひ食べていただきたい郷土料理があります。

奄美大島の極うまグルメ

鶏飯は、「とりめし」ではなく「けいはん」と呼び、奄美大島の代表的な郷土料理の一つです。炊き込みご飯のようなものではなく、ご飯に鶏肉や錦糸卵、のりなどさまざまな具材をのせ、鶏を煮込んで作られたスープを注いで食べる奄美大島のソウルフード。お茶漬けのような感覚で食べられ、そしてヘルシーな鶏飯は奄美大島では子どもからお年寄りまで、多くの人に親しまれています。

鶏飯は具材がおいしさもさることながら、一番の味の決め手はスープです。「鶏飯」という名前の通り、スープは鶏ガラでじっくり出汁をとったもの。スープのうま味とほぐした鶏肉のうま味が合わさって、深い味わいの鶏料理になるのです。スープをかけていただくのでサラサラと食べやすく、一杯といわずに何杯でもおかわりしたくなる郷土料理です

鶏飯の由来

鶏飯は遡ること約400年以上の前、奄美諸島を支配下に置いていた薩摩藩の役人をもてなすための料理から誕生したと言われています。当時は薩摩藩が奄美諸島を支配したばかりで、役人たちは威圧的で厳しく、奄美の人々はどうにかして役人たちの気持ちを和らげようとして、豪華な料理を振る舞ったそうです。

こうして貴重だった鶏を丸ごと使って鶏肉料理に作ったのが、鶏飯の始まりといわれていますが、当時の鶏飯は現在のようなお茶漬けようなスタイルではなく、いわゆる「炊き込みご飯」だったようです。奄美や鹿児島県内では、昔から各家庭で鶏を飼う習慣が根付いており、お正月や冠婚葬祭、大事なお客様をもてなす際には大事な鶏を捌いて食べる文化がありました。戦後になると炊き込みご飯だった鶏飯が工夫されて、現在のようなごはんに具とスープをかけて食べるお茶漬けのスタイルの鶏飯になったとされています。

鶏飯の食べ方

奄美には鶏飯が食べられるお店がたくさんありますが、基本的にどこのお店でもごはんと具、スープが別々に運ばれてきます。

まずはおわんにごはんを適量盛って、その次にごはんの上に具材をのせます。具材はそれぞれの店によって違いはありますが、鶏肉や錦糸卵、のり、ネギ、パパイヤの漬物、椎茸、みかんの皮などです。ごはんは軽く2~3杯分はあるので、具材の彩りはもちろんですが、量の配分も考えて盛り付けていくのがポイント。盛り付けたところに熱いスープを注ぎ入れいただきます。鶏肉のスープはエキスが染み出しており、うま味たっぷり。鶏飯の味の決め手はこのスープにあると言ってもいいので、それぞれの店が丹精込めて作り上げたスープをじっくり味わいましょう。おいしさを最大限に味わうためには「ご飯少なめ、スープ多め」が大切なんだとか。

鶏飯の作り方

作り方は簡単です。材料もパパイヤの漬物などを除けば、他のものは地元でなくても揃えられるので、家庭でも比較的気軽に作る事ができます。

鶏飯を作るには、スープ作りと具材を揃える、この2つに分けられます。まず、鶏ガラで十分に出汁をとったスープを作ります。調味料で味を調えますが、基本は鶏ガラのうま味がスープのおいしさのポイントになるので、できれば鶏ガラからじっくりと取りましょう。具材は、まず鶏肉の胸肉かささみを蒸して細かくほぐします。錦糸卵を用意し、椎茸は甘辛く煮て刻みます。また、ねぎ、わさび、ごま、しょうが、海苔などの薬味を用意します。島みかんの皮などがあればいいですね。そして、ご飯、スープ、具材、薬味をすべて別々に用意すればできあがり。

本場の鶏飯を試してみたい方は、フリーズドライされたものが通販サイトで販売されているので、購入することもできますよ。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 鹿児島県奄美群島に古くから伝わるおもてなし料理は?

A. 鶏飯