千葉県房総半島は漁師町として栄えています。今回は漁師さんの間で郷土料理として親しまれているグルメを紹介します。名前だけ聞くとお茶の一種のようですが、なめろうをのせたお茶漬けです。いったいどのようなものなのでしょうか。
なめろうをのせたお茶漬けとは
孫茶は、かつおやアジなどの魚を細かく切ったものに味噌や日本酒やショウガ、ねぎなどを混ぜて練った「なめろう」を、熱々のご飯にのせて出汁や熱湯を注いだお茶漬けです。新鮮な魚介類が豊富な千葉県房総半島の郷土料理のひとつで、別名孫茶漬けとも呼ばれています。なめろうは、アジやかつお、マグロなどの魚を使うのが一般的ですが、新鮮な魚が手に入る地の利を活かしてキンメダイやサバのなめろうをのせた孫茶も食されているようです。
孫茶という名前の由来は、漁師さんが船の上でまごまごせず素早く食べられるよう考案された料理だからという説と、孫に食べさせたいほどおいしいからという説の2つがあります。漁師料理という枠を超えて、房総エリア一帯の郷土料理として親しまれています。お茶漬けなのでサラッと食べられ、お酒の席でのしめにもぴったりの料理です。
孫茶の食べ方
孫茶は、千葉県房総エリアの漁師町の食堂や料亭などで食べることができます。定番のアジの孫茶のほか、さんまやトビウオの孫茶、夏には冷やし孫茶などもあります。また、もともとは漁師さんが手早く作っていた料理なので、新鮮な魚さえ手に入れば家庭でも作ることができるのも魅力です。そこで、定番のアジの孫茶のレシピをご紹介しましょう。
材料はアジ1尾、大葉2枚、昆布5センチ、おろししょうが少々、醤油少々、ご飯2膳です。まず、アジの骨を抜き、塩をまぶして5分程おき、皮を引いた後ぶつ切りにします。アジの骨と頭は血合いを抜いて多めの塩を振り30分程おきましょう。その後、アジの骨と頭を洗い昆布を入れた鍋で灰汁を取りながら20分程煮詰め出汁の完成です。なめろうはぶつ切りにしたアジの身と醤油、千切りにした大葉を混ぜ合わせて作りましょう。最後に、ご飯の上になめろうをのせ出汁をかけたら孫茶の出来上がりです。
作り方自体は簡単なので、自分なりにアレンジするのも楽しいでしょう。魚が新鮮でないと魚の臭みを感じてしまうので、鮮魚が手に入らないなら本場で食べるのがおすすめです。
千葉県房総エリアの観光スポット
孫茶を生み出した千葉県の房総エリアは海辺の町という印象が強いですが、海だけでなく山もあるので美しい自然や景色を堪能できる観光スポットも豊富です。中でも、鋸山はのこぎりの歯のような険しい稜線が続く絶景スポットとして知られています。山頂にある100メートルの絶壁は「地獄のぞき」と呼ばれ、鋸山随一の名所です。天気の良い日は東京湾や富士山まで見渡すことができ、文化財の薬師瑠璃光如来や百尺観音像、千五百羅漢像の参拝もできます。また、四季折々の自然が楽しめる養老渓谷は、春はツツジ、秋は紅葉が楽しめるほか、渓流釣りもできると人気のスポットです。
海側の観光スポットとしては、房総半島の最南端にある野島埼灯台があります。美しい八角形の白亜の灯台で、国の登録有形文化財にも指定されています。そして、館山湾の南端に位置する沖ノ島という無人島は、陸続きで徒歩で渡ることができるうえ、水質が良くシュノーケリングや素潜りに最適です。夏におすすめの観光スポットといえます。このように、房総半島は海と山の両方を楽しめるので、海派の人も山派の人も満喫することができるでしょう。
房総半島に行ったら食べてみたい孫茶
新鮮な魚介類はお刺身やお寿司として食べるのが一般的ですが、千葉県の房総エリアを訪れた際には、郷土料理である孫茶として食べてみたいものですね。飾らない素朴な美味しさに、舌鼓を打つこと間違いないでしょう。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 魚料理の「なめろう」をご飯に盛ってその上からお茶を注いだ、千葉県の郷土料理は?
A.孫茶
Q. 山頂にある100メートルの絶壁は「地獄のぞき」と呼ばれる、千葉県の山は?
A.鋸山