兵庫県の郷土料理「姫路おでん」。何につけて食べるのが特徴?

日本人のソウルフード、おでん。冬には欠かせない食べ物ですね。冬だけでなく、夏でもよく食べられる地域もあり、日本人の国民食と言っても過言ではありません。家庭やお店ごとの味付けや具材の違いがあり、知識色もとっても豊か。全国各地にご当地おでんがありますが、その中でも兵庫県のご当地グルメ「姫路おでん」とは一体どんなおでんなのでしょうか。

姫路おでんとは

姫路おでんとは、ショウガ醤油で食べるおでんのこと。姫路には関東煮(かんとうだき)と呼ばれる甘めの濃い味付けのおでんと、関西風のだしの風味がよく効いた薄味のおでんの2種類ありますが、それを「ショウガ醤油」で食べるかどうかが決め手になります。

公式ホームページでは、姫路おでんの定義を

・小皿に上からたっぷりと生姜醤油をかける。
・ショウガ醤油を小皿に入れて、つけて食べる。

としています。ショウガ醤油で食べるおでんは全て「姫路おでん」なのです。

姫路おでんのなりたち

おでんにショウガ醤油をかけて食べるのは、姫路を中心に加古川~相生周辺くらいまでのごく限られた地域の食べ方でした。それを、2006年に姫路の「食」で町おこしをしようと模索していたグループが「姫路おでん」と命名しました。

実は姫路では、おでんをショウガ醤油で食べる食べ方はごく一般的なものだったので、特に名前が付いていなかったのです。その食べ方のはじまりは諸説ありますが、昭和の初め頃、姫路の浜手という地域で、甘い味付けの関東煮にショウガ醤油をかけ、自分の好みに味を調整して食べたのが始まりではないかと言われています。

元々は関東煮のだしを切り、ショウガ醤油を上からかけて食べていたのが、その後、関西風の薄味のおでんが出始めると、小皿に入れたショウガ醤油につけて食べることも多くなってきました。

そして姫路の龍野市(現:たつの市)は、播州平野の西部に位置した市ですが、町の東側を流れる揖保川(いぼがわ)と瀬戸内海を利用した水運が発達し、古くから醤油の産地として発展してきました。また現在は姫路市白浜町となっている地域が、昭和の初めごろは生姜の産地だったとされており、地域の名産を組み合わせておいしくなることを発見し、食習慣になったのではないかと考えられているそうです。

姫路おでんの決め手!ショウガ醤油の作り方

姫路おでんにつけるショウガ醤油の作り方はとってもシンプル。濃口醬油にショウガをすりおろしたものを、お好みの量入れるだけ。醤油はそのままで大丈夫ですが、ちょっとひと手間加えて、みりんや日本酒を少々入れてひと煮立ちさせても。お店によっては、ショウガ醬油をおでんのだしで割ったり、独自の配合でブレンドしたり、濃口醬油ではなく薄口醬油を使用したりと、それぞれのおでんに合ったオリジナルのショウガ醤油があるようです。

関西のおでんいろいろ

地域によって様々なおでんがありますが、関西には姫路おでんの他に京都風おでんや大阪風関東煮があります。

京都風おでんは、昆布と薄口しょうゆのだしに、豆腐・ひろうす・湯葉などの豆腐類、お野菜は聖護院大根・海老芋などの京野菜をあっさりと煮込んだ、透き通った色合いが特徴のおでんです。

大阪風関東煮は「関東煮」とありますが、関東のおでんとはちょっと違います。もっとも違うのは、やはり味付けです。濃いめにしっかりと味をしみ込ませる関東のおでんに対して、大阪風関東煮は薄口しょうゆでだしをきかせた味。また具材にはクジラが入ります。コロ・サエズリが定番の具材でしたが、価格が高騰したので、牛すじなどが代わりに入れられるようになりました。

関西を訪れた際には、大阪、京都、姫路のそれぞれのおでんを食べ比べてみるのもいいですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 兵庫県の郷土料理「姫路おでん」。何につけて食べるのが特徴?

A. ショウガ醤油