宮城県はカキの養殖が盛んな地域として知られています。今回は、カキの名産地でもあり、日本三景のひとつでもあるその地域の歴史や観光スポットなどをご紹介します。
濃厚で美味しい!宮城県のカキについて
松島でカキが発見されたのは1600年代ごろだと言われています。松島湾にある野々島周辺で大量のカキを発見した内海庄左衛門が、稚貝を集めて海へ散布したのが養殖の始まりです。それから1800年代ごろまで天然のカキが採取されていましたが、採取量は次第に減少していきます。減少したのを機に養殖しようという動きが活発になり、1800年代後半には「す立て棒刺棚」が作られるなど技術の開発が進みました。1900年代に入り、神奈川県で開発されたカキの垂下式養殖法が普及するなどさらに技術が進んだのち、宮城県のカキ養殖も進化を遂げ、カキの名産地として全国に知られるようになりました。
カキは1日に約200リットルの海水を体内に取り込むとそこから栄養を吸収します。そのため、美味しいカキになるには海水が何よりも重要だとされています。松島は三陸の中でも閉鎖的な水系で、海水が澄んでいるエリアです。松島で養殖されたカキは海のミルクと呼ばれるほど濃厚で、クリーミーな味わいだと評価されています。ツヤがありふっくらとした大きな身は生で味わえるほか、蒸し焼きや天ぷら、かき飯として食べるのもおすすめです。
日本三景の1つ「松島」を一望できる場所
宮城県にある松島は天橋立、宮島と並ぶ日本三景の1つとしても知られています。日本三景は古くから景勝地と呼ばれてきた場所で、江戸時代の初期に儒学者である林春斎が日本国事跡考に記したことから始まりました。林春斎の生まれた日にちなみ、毎年7月21日は日本三景の日とされています。松島湾にある260余りの島々の総称が松島で、それを一望できるのが四大観と呼ばれるスポットです。壮観・大高森と麗観・富山、偉観・多聞山、幽観・扇谷の4つをまとめて四大観と呼んでいます。
壮観・大高森は松島湾と東松島市宮戸島の中間あたりにある高峰です。登り口から山頂まで徒歩20分ほどかけて登ると、箱庭のような形をした壮大な松島湾を眺められます。次に、麗観・富山の山頂には杉や松などの大木に覆われた大仰寺があります。大仰寺の庭から松島の東と南、そして西の三方を一望することが可能です。偉観・多聞山は七ヶ浜町の北端にある代ヶ崎の断崖にあり、断崖からは絶え間なく打ち寄せる迫力満点の波を眺めることができます。幽観・扇谷は双観山の後方にある高地で、登り口から山頂まで徒歩3分ほどで辿り着ける場所にあります。山頂から一望できる松島湾の入り江が扇のように見えることから、扇谷と呼ばれるようになりました。
松島観光に欠かせないおすすめのスポット
松島のグルメを楽しめる観光スポットの1つが、松島さかな市場です。松島さかな市場では三陸沖で採れた海産物を味わったり、海産物や乾燥珍味を購入することができます。カキのフライを米粉のバンズで挟んだ松島カキバーガーや45分間食べ放題の焼がきハウスなど、カキの名産地らしい名物グルメも見どころです。また、景色が楽しめる観光スポットとしては四大観以外に、松島湾に浮かぶ福浦橋があります。福浦橋は松島海岸東の福浦島に架かる朱塗りの橋で、長さは約252メートルほどです。赤い水平線とも呼ばれる美しい橋は別名・出会い橋とも呼ばれ、縁結びスポットとしても人気を集めています。松島海岸には他にも縁結び橋と呼ばれる五大堂の透橋や縁切り橋と呼ばれる雄島の渡月橋があります。
カキの名産地・宮城県松島で日本三景やグルメを楽しもう!
カキの名産地で日本三景の1つでもある宮城県松島には、グルメを堪能できるスポットや景色を一望できる場所が多くあります。松島の観光スポットを訪れ、海を眺めながら美味しいカキを味わってみるのも良いでしょう。
ザ・ご当地検定の問題
Q. カキの名産地でもある、宮城県にある日本三景のひとつといえば?
A.松島