栃木県のご当地グルメに特徴的な焼きそばがあります。栃木県の北に位置する地域で生まれ、市の西側は広大な山岳地帯、東側は田畑の残る市街地となっています。多数の温泉に恵まれたエリアでもあり、その温泉地帯ではその焼きそばが人気です。
2大名店がスープ入り焼きそばのルーツ
スープ入り焼きそばとは、栃木県那須塩原市の温泉地帯である塩原温泉郷が生み出したご当地グルメで、どんぶりにソース焼きそばを入れ、しょうゆ系のスープをかけて作られる料理です。一般的なソース焼きそばと同じく、具材は基本的にはキャベツと豚肉を使用しますが、店舗によっては異なる具材で作られることもあり、麺やスープ、トッピングなどにそれぞれのお店のこだわりが表れています。塩原温泉では長年親しまれてきたご当地グルメで、ラーメンのような見た目に焼きそばの味という一風変わった料理として、観光客の評判も上々です。
ルーツとされているのは釜彦食堂とこばや食堂の2大名店で、どちらも栃木の名水と高原キャベツを使用していることが共通点として挙げられますが、スープ入り焼きそばが生まれた由来は異なります。釜彦食堂は、出前の際にラーメンと焼きそばを同時に運ぶとラーメンのスープがこぼれるという問題、これに対処するために3年の歳月をかけて考案されたのがスープ入り焼きそばで、1955年頃からメニューとして提供されています。これに対してこばや食堂は、以前塩原に存在していた食堂の裏メニューが由来となっており、その食堂の店主から伝授された調理法をこばや食堂の店主がアレンジを加えて独自のスープ入り焼きそばを考案、裏メニューの時は常連客だけが知るメニューが誰もが食せるスープ入り焼きそばに生まれ変わったのでした。
異なる調理法に絶妙な美味しさ!
また、釜彦食堂とこばや食堂は、具材や調理法が少し異なる点もあり、風味も違います。まずは釜彦食堂のスープ入り焼きそばですが、具材として高原キャベツと鶏肉を使用、焼き上げた焼きそばをどんぶりに入れて、特製のスパイスが加えられた野菜や鶏ガラを長時間煮込んで作られたスープをかけます。まろやかな風味にスパイスが効いた絶妙の味にはコクがあり、トッピングされたナルトやキャベツ、鶏肉が上手く溶け込んだ一品となっています。
なお、こばや食堂のスープ入り焼きそばは、具材はシンプルにキャベツと豚肉、コクのある鶏ガラベースのスープの中に、焼き上げた焼きそばを入れるという調理法です。食べ始めは焼きそばとスープが分離していて焼きそばの味が割合を占めますが、箸が進むにつれて焼きそばにスープが絡み、一口食べる毎に味が変化していきます。最終的には焼きそばとスープの味が上手く合わさって、最後まで変化し続ける味を楽しむことができます。
スキー場や温泉、公園なども楽しめる
栃木県那須塩原市は、エリアによって気候が異なり、平野部は夏は暑く冬は強い北風が吹き寒いですが、降雪はあまりありません。一方、山岳地帯は夏は涼しい方で、冬は雪が積もります。そのためスキー場として開放されているエリアもあり、冬場はスキー客で賑わいます。また、スープ入り焼きそばの発祥の地でもある塩原温泉郷や、板室温泉などの多数の温泉施設を有する観光スポットも存在し、歴史のある情緒溢れる様々な温泉を楽しむことが可能です。
さらに、フランス庭園や日本庭園が園内に整備されている、桜やアジサイなどの季節の花が美しい鳥々森公園や、320mの本州最大級の長さである無補剛桁歩道吊橋、もみじ谷大吊橋なども人気のスポットで、四季を通じて自然豊かなたくさんの観光スポットを堪能することができます。
観光とご当地グルメを一緒に満喫できる栃木県那須塩原市
栃木県那須塩原市は、ご当地グルメや温泉など観光地が豊富にある地域です。紹介した食堂の他にもスープ入り焼きそばを提供しているお店がありますので、栃木県那須塩原市に訪れた際はテイストの異なるスープ入り焼きそばを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. ご当地グルメの「スープ入り焼きそば」が人気の栃木県の市は?
A. 那須塩原市
Q. 栃木県那須塩原市のB級グルメ、「何入りやきそば」?
A.スープ入り
Q. 本州最大級の長さを誇る、栃木県那須塩原市の無補剛桁歩道吊橋は?
A. もみじ谷大吊橋