旅行に行った際、観光地巡りのほかにもう一つ、やっておかなければならないことがあります。それは、その土地のおいしいものを食べることです。今回は、埼玉県の名物菓子を紹介します。これを食べずに帰ってしまうのはもったいないです。
普通のまんじゅうと何が違うの?
初めて「炭酸まんじゅう」という名前を聞いた人は、「いったい普通のまんじゅうと何が違うのか」と疑問を抱くことが多いです。「炭酸」というキーワードが何を示すのか気になることでしょう。実は、炭酸まんじゅうは、炭酸の発砲によって膨らんでいるのです。これが炭酸まんじゅうの最大の特徴です。
本来、まんじゅうを作る際に使用するのは、小麦粉、牛乳、卵などといったものですが、そこに炭酸を発生させるために重曹を加えています。重曹は、熱によって発泡するため、まんじゅうがうまく膨らむのです。炭酸まんじゅうの中には、小豆のあんが入っています。生地は蒸しパンのような食感で、優しい甘さがあり、中のあんとの調和がしっかりと取れた味となっています。
炭酸まんじゅうは、食べた際に口の中でぱちぱちはじけるということはありません。そのため、炭酸飲料のぱちぱち感が苦手な方でも安心して食べることができます。そのまま食べてもいいですが、時間がたって固くなってしまった場合は蒸し器で少し蒸したり、キッチンペーパーに少量の水を含ませたものをまんじゅうにかけて電子レンジにかけたりすると、柔らかくなっておいしく食べられます。
重曹を入れる理由とは
お菓子を作る際に、生地を膨らませるのによく用いられるのはベーキングパウダーです。しかし、炭酸まんじゅうはベーキングパウダーの代わりに重曹を用いて生地を膨らませています。では、ベーキングパウダーの代わりに重曹を用いる理由はいったい何なのでしょうか。ベーキングパウダーを使用した場合、出来上がったまんじゅうの色は白っぽくなり、苦みやにおいが残りません。
それに対して、重曹を使用した場合、生地の色は黄色のような色となり、独特な苦みとにおいが生まれます。そのため、普通のお菓子に重曹を入れると、味が悪くなってしまうことが多いです。しかし、炭酸まんじゅうは重曹の特徴を十分に生かし、おいしさと見た目の良さにつなげる工夫がされています。炭酸まんじゅうの独特な味わいは、重曹によってもたらされているのです。
埼玉県民に愛されて長い歴史を持つ
炭酸まんじゅうは埼玉県で長年愛されている食べものです。もともとは、観光用ではなく、田舎の農村で食べられていたお菓子として存在していました。そこから県民に愛され続け、埼玉県を代表するお菓子となったのです。そして、その人気は埼玉県内にとどまらず、近年では日本各地で愛されているお菓子となっています。埼玉県にある大里農産物直売所は、埼玉県を代表する炭酸まんじゅうを販売する場所として有名です。
ここでは、甘さを抑えた小豆餡、ピリ辛が癖になる椎茸餡、高菜の入った餡、黒糖入りの小倉餡の4種類の炭酸まんじゅうが販売されています。それぞれ「ぎりぎり大介」「ピリッと里子」「ジューシー工史」「南国帰りの房之介」という独特なネーミングがされているという点も、この場所の炭酸まんじゅうが愛されている理由の一つです。非常に人気があるため、売り切れてしまうことも多々あります。購入する際は、売り切れにお注意するといいでしょう。ちなみに、大里農産物直売所では、炭酸まんじゅうのほかに農村レストランメニューというものも販売しています。炭酸まんじゅうを購入するだけでなく、地域でとれた農産物を買ったり、食事を楽しんだりすることもできるので、埼玉県に立ち寄った際は、足を運んでみるといいでしょう。
炭酸まんじゅうは埼玉県を代表するお菓子
炭酸まんじゅうは埼玉県で愛されて長い歴史を持つお菓子です。そのため、埼玉県に旅行に来たら確実に食べて帰るべきです。お土産にも最適なので、何を買っていいか迷ったら炭酸まんじゅうを買って帰りましょう。普通のまんじゅうとの食べ比べも楽しいですよ。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 生地に重曹を加えるのが特徴の、北関東で作られている郷土菓子は?
A.炭酸まんじゅう