肉巻きおにぎりと聞くと、どのようなものかイメージできるという人も多いかもしれません。それほど認知度の高い肉巻きおにぎりですが、何県が発祥のソウルフードかご存じですか?お米を薄切りの肉で巻き、甘辛いタレで味付けした肉巻きおにぎりは、幅広い層から好まれる食べ物となっています。手軽に作れることからも、その人気が広まったといっていいでしょう。今回は、そんな大人気の「肉巻きおにぎり」について紹介していきます。
肉巻きおにぎりの歴史
肉巻きおにぎりは、豚肉を醤油で作ったタレに漬け、ご飯に巻いてオーブンで焼いた食べ物です。一般的にはおにぎりの種類のひとつとされていますが、宮崎県ではレタスなどで巻いて食べるのが定番となっています。宮崎県発祥のご当地グルメとして、全国的に有名になっているので、その存在を知っている人も多いかもしれません。最初に名前や見た目、作り方を聞くと、その名のとおりご飯に肉を巻き付けただけのおにぎりだと思うでしょう。しかし、実際に食べてみると、全く違うのです。タレにしっかり漬け込まれた豚肉とご飯、さらに一緒に添えられた薬味やトッピングが、何とも言えないおいしさを生み出しています。トッピングにはさまざまなバリエーションがあるのも、老若男女、幅広い層から支持されている理由と言えるでしょう。
この肉巻きおにぎりの販売を始めたのは、当時「とりあえず本舗」という名前で開業したお店です。1997年に宮崎市でスタートしたこのお店が、肉巻きおにぎり発祥と言われています。しかし、肉巻きおにぎりが誕生したのは、実はもっと前なのです。もともとは、この店の代表が経営していた居酒屋でまかないとして出されていたのが、肉巻きおにぎりでした。それが常連客の目に留まり、提供してみたところ好評となり、店舗を開業することになったのです。
その後は全国各地に続々と出店をし、テレビなどのメディアでB級グルメとして注目を浴びたことから、一気にその名が有名になっていきました。また、もともとは三角形のおにぎりに肉を巻いたものが販売されていましたが「食べやすいように」との理由から、形を俵型に変えています。そして、実際に俵型のものが定着し、その形が一般的になったのです。
また、肉巻きおにぎりの発祥は宮崎県ですが、全国には似たようなものがご当地グルメになっているところもあります。たとえば、大分県豊後の肉巻きめしは、宮崎県の肉巻きおにぎりと非常によく似た見た目をしている食べ物です。また、食べるときにレタスなどを巻くというのも、宮崎県と似ていると言えるでしょう。しかし、豊後の肉巻きめしは、材料の肉に牛肉を使っています。ここが宮崎県のものとは異なる点だと言えるでしょう。
それから、三重県桑名市にも肉巻きおにぎりがあります。こちらは、「しぐれ肉巻きおにぎり」という呼ばれ方もする食べ物です。ご飯に豚肉を巻き、焼いてサラダ菜などを巻いて食べるという点では同じでしょう。しかし、こちらの肉巻きおにぎりでは、ご飯に時雨あさりをまぜるのです。そのため、三重県の肉巻きおにぎりも、やはり宮崎県のものとは異なっています。
肉巻きおにぎりラインナップ
宮崎県の肉巻きおにぎりは、さまざまなバリエーションが存在するのも大きな特徴です。特にトッピングの種類はとても豊富で、お店によっていろいろなものが用意されています。たとえば「チーズ肉巻きおにぎり」は女性にも人気の高い商品です。チーズを入れるところ、乗せるところ、スタイルは販売店によってさまざまでしょう。なかでも、チーズを乗せて炙ったものは、食欲をそそるチーズの香りと肉巻きおにぎりがベストマッチしています。
また「チリソース肉巻きおにぎり」は、エスニックな風味が楽しめる一風変わった肉巻きおにぎりです。最初に食べたときは甘酸っぱく、そのあとに辛さがやってくるチリソースは、肉巻きおにぎりとの相性も抜群となっています。一度食べたらクセになってしまうおいしさなのです。辛いものが苦手な人は、お好みでチーズを乗せることで辛さを和らげることもできます。
それから、実は密かに人気が高まっているのが「ねぎマヨ肉巻きおにぎり」です。濃い味つけがされた肉巻きおにぎりに、たっぷりとネギを乗せ、さらにマヨネーズをかけることで、さっぱりと食べることができます。そして、変わりどころでは「バジルチーズ肉巻きおにぎり」は外せないでしょう。肉巻きおにぎりの和風の甘辛タレに、バジルチーズのソースを少したらして食べます。バジルのいい香りとチーズの濃厚さが何とも言えず肉巻きおにぎりにマッチするのです。
そのほかにも「トマト肉巻きおにぎり」や「キムチ肉巻きおにぎり」といった肉巻きおにぎりを売っているお店もあります。さらに、明太マヨを乗せたものや、肉巻きおにぎりの常識をくつがえす塩ダレ味のものを見つけることもできるでしょう。このように、無限の可能性を秘めているのが肉巻きおにぎりなのです。
肉巻きおにぎりが食べられるところ
「肉巻きおにぎりが食べたい!」と思ったら、やはり一番は宮崎県に行って食べるのがいいでしょう。宮崎県内には、いくつもの「肉巻きおにぎり専門店」があります。これらの専門店では、こだわりをもって作られたおいしい肉巻きおにぎりを食べることができるのです。また、トッピングなども豊富に用意されていることが多いでしょう。ほかにも、宮崎県内の焼き肉店などでも、メニューに肉巻きおにぎりが用意されているところがあります。また、空港ターミナルの中にあるレストランでも、食べることができるのです。そのため、旅行の締めとしても肉巻きおにぎりが食べられます。
宮崎県以外では、たとえば東京都内にある宮崎県のアンテナショップなどに行けば、肉巻きおにぎりを見つけることができるでしょう。ただし、そういったところで売られているものはほとんどが冷凍されているものです。また、コンビニなどとタイアップして、期間限定で販売がされることもあります。ネットなどでも、1個300円ほどで肉巻きおにぎりを購入することができるでしょう。このように、比較的簡単に買うことができるようになってはいますが、やはり一番は出来立てを食べることでしょう。
実は、宮崎県の肉巻きおにぎりは全国各地に加盟店があります。東京や名古屋、大阪をはじめ、福岡や鹿児島などでも出店や移動販売をしているのです。そのようなお店であれば、本場の肉巻きおにぎりを食べることができるでしょう。また、百貨店のイベントなどでも専門店が出店し、出来立てを販売していることがあります。肉巻きおにぎりはさまざまな方法で買うことができますが、せっかくなら地元の料理人が作ったばかりのものを食べたいものです。
肉巻きおにぎりの作り方
肉巻きおにぎりは自宅でも作ることができます。材料は、メインとなるのがご飯、薄切りの豚肉です。豚肉は豚バラを使うとおいしさがさらにアップするでしょう。そして、タレを作るのに水、酒、醤油、それから砂糖とみりんが必要です。作り方は、タレの材料を全部まぜて、豚肉をしばらく漬け込んで味を染み込ませます。そのあいだにご飯を小さめの俵型に握り、漬け込んだ豚肉で巻いて転がしながら焼くだけです。最後は少し強火で熱し、タレがよくからむように焼くといいでしょう。
豚肉をタレに漬け込んでから巻くことで、ご飯にもタレが染み込んでおいしくなります。しかし、タレの浸かった豚肉は扱いにくいと思う人もいるでしょう。そのような場合には、生肉をご飯に巻いて焼くときにタレを入れるようにします。ただし、豚肉を巻くときにハケなどで内側にタレを塗ってから焼くといいでしょう。そうすることで、ご飯にもしっかりタレの味が付くようになります。また、焼くときは小麦粉などをまぶしておくことで、タレがからみやすくなるでしょう。
肉巻きおにぎりを食べるなら発祥の宮崎県へ!
宮崎県発祥の肉巻きおにぎりは、全国的な知名度も高く、ネットなどで手軽に買うことができるようになっています。しかし、やはり本場で食べる出来立てアツアツのものと比べると、おいしさの度合いは低くなってしまうでしょう。自宅でも簡単に作ることができますが、専門店のものはこだわって作られているものが多いことから味も段違いです。また、バリエーションが豊富なのも現地で食べるからこそでしょう。本場の肉巻きおにぎりを食べに、宮崎県に行ってみませんか。
ザ・ご当地検定の問題
Q. タレに漬け込んだ豚モモ肉の薄切りをご飯に巻いて焼き上げる「肉巻きおにぎり」。発祥の都道府県は?
A.宮崎
Q. 宮崎県名物「肉巻きおにぎり」の発祥といわれている店の名前は?
A.とりあえず本舗
Q. 宮崎県名物「肉巻きおにぎり」。現在の俵型になる前の形は?
A.三角形