三重県四日市のご当地グルメ「とんてき」。「とん」は豚のことですが、「てき」は何のこと?

三重県の四日市市では「四日市とんてき」という分厚く切った豚肉のソテーが名物料理になっています。B-1グランプリにも参加し、日本中での知名度も上がっているこの「とんてき」の魅力をご紹介します。

四日市とんてきはPR活動のおかげでじわじわと広まっていった

とんてきとは豚肉=とん、てき=ステーキのことです。

三重県四日市市のとんてきは、ただ豚肉をステーキにしたものではありません。分厚い豚肉をにんにくと一緒に焼き上げて、仕上げにウスターソースベースの濃いタレを絡めて完成です。多くのとんてきには、付け合わせに千切りキャベツが添えられています。分厚い肉でも火が通りやすいように、端っこだけ残して切れ目を入れて焼き上げる店もあります。その場合、完成したときの形がグローブに似ていることから「グローブ」焼きとも呼ばれています。

四日市とんてきは、第二次世界大戦後に、市内にある中華料理店や肉料理専門店がつくり始めたと言われています。時がたつにつれて、とんてきを提供する飲食店も増えていきましたが、とんてきが四日市市の名物料理として本格的にPRされ始めるようになったのは2008年です。その年に、一般社団法人「四日市とんてき協会」が設立され、市内でとんてきを提供している店を紹介するなどして周知が進むようになりました。

2008年11月には四日市とんてきを広めるキャラクターとして、蚊やりブタととんてきを組み合わせた「テキブ~」が誕生しています。また、2009年には「大好きとんてき」と「ラブストーリーはとんてきに」というとんてきの歌も作成されてCD発売されました。

2010年にはB-1グランプリに三重県代表として初参加を果たしました。その後もローカルのB-1グランプリに出場を続けており、2013年の「B−1グランプリin豊川大会」では10位という好成績をおさめています。

自宅で挑戦!本場の四日市とんてき

「四日市とんてき」の定義には使用する豚の産地や品種は指定されていません。つまり、家でも簡単に本場のとんてきを作ることができるのです。
材料(1人分)は次のようになります。
豚の厚切りロース 1枚・にんにく 2片・キャベツ 適量・塩 適量・黒コショウ 適量・サラダ油 大さじ1。豚肉は精肉店に行って、厚切りの肉を注文するのがおすすめです。
ソースに使う調味料は、ウスターソース 大さじ2・ケチャップ 大さじ1・醤油 大さじ1・砂糖 大さじ1・赤ワイン 大さじ1です。

料理を始める30分くらい前に、豚肉は冷蔵庫から出しておきます。厚切りの肉は火を通すのに時間がかかってしまい、焼きすぎで肉が硬くなることがあります。それを避けるためには、豚肉の温度を冷温から常温に戻しておくのが大切です。
豚肉から冷気が抜けたら、火が通りやすいように切れ目を入れておきます。脂のついている部分を残して、4箇所くらいにざっくりと大きな切れ込みを入れましょう。次に豚肉の両面に塩と黒コショウを振って下味をつけます。ニンニクは一つの欠片を半分に切っておきましょう。
フライパンにニンニクとサラダ油を入れて、十分熱くなったら豚肉を入れます。最初は強火で両面を焼いていきます。しっかりと焼き目がついたら、弱火にして焼き上げていきます。竹串などで肉を刺して、透明な穴から肉汁があふれてきたら焼き上がりのサインです。

豚肉を取り出したら、ソースの調味料をフライパンに入れて、中火で煮詰めていきます。このとき、フライパンに油がたっぷりと残っていたら、キッチンペーパーで吸い取り適度な量に減らしてください。ソースが煮詰まったら火を止めて、豚肉をフライパンに戻してソースを絡めます。
豚肉とニンニク、それと千切りにしたキャベツと一緒にお皿に盛り付ければ四日市とんてきの完成です。

四日市とんてきはバリエーションも豊富

四日市とんてきは、豚肉というポピュラーな素材を使っているため、ステーキハウス、居酒屋、ラーメン屋など多様な飲食店で提供されています。味付けも千差万別なので、四日市を訪れたときはいろいろな店のとんてきを食べ比べてみるのもいいかもしれませんね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 三重県四日市のご当地グルメ「とんてき」。「とん」は豚のことですが、「てき」は何のこと?

A.ステーキ

Q. 三重県のご当地グルメ「四日市とんてき」は、切れ目の入れ方によって「◯◯焼き」とも呼ばれる。〇〇に入るのは?

A.グローブ