伊勢の銘菓「赤福」の形は何を表現している?

三重県のお土産といえば、「赤福餅」ですね!伊勢名物としてとても有名な赤福餅ですが、名前は「赤心慶福(せきしんけいふく)」という言葉に由来し、深い意味があります。お餅の表面に付いている三本線にも意味があるんだとか。

伊勢名物「赤福餅」の三本線の由来と歴史

赤福は三重県伊勢市にある和菓子屋赤福の看板商品です。赤福餅は宝永4年(1707年)の創業以来、300年以上も愛されてきました。お伊勢参りがブームになった江戸時代には、すでに伊勢名物として有名だったようです。赤福はお餅をこし餡で包み、滑らかな舌触りと上品な甘みが特徴のあんころ餅です。傾けると形が崩れてしまうほど柔らかく、餡の表面には指で押したような三本の筋が描かれています。この三本の筋は伊勢神宮を流れる五十鈴川の流れをかたどったもので、中の白いお餅は川底の小石を表現しています。赤福餅が五十鈴川のほとりで売られていたことが由来です。

創業当初、赤福餅は塩味の餡が使われていたそうです。江戸時代、砂糖は庶民の口には入らない貴重品でした。赤福餅に砂糖が使われるようになったのは創業から20年以上も後のことです。1727年に八代将軍徳川吉宗によりサトウキビの栽培が奨励され、生産量が増えたため赤福でも黒砂糖が使われるようになったといわれています。現在のように餡に白砂糖が使われたのは約200年後の1911年(明治44年)です。伊勢神宮を参拝した昭憲皇太后に白砂糖で作った特製品の赤福餅を献上しお褒めの言葉をいただいたことがきっかけです。当時は白砂糖が使われた赤福を「ほまれの赤福」と呼び、黒砂糖の通常品と区別していました。

赤心慶福の語源と赤福餅の名前の由来

赤福餅は「赤心慶福」の2文字を取って名付けられました。赤心慶福とは伊勢神宮の参拝客の心をあらわす言葉です。「赤ん坊のような純真な真心と誠意(赤心)を持って尽くし、他人の幸運を自分のこととして喜ぼう(慶福)」という意味が込められています。創業当初、赤福餅を食べた茶道の宗匠に餅の名前にふさわしいと、この言葉を授けられたのが名前の由来とされています。江戸時代の庶民は自由に旅行ができませんでしたが、お伊勢参りといえば通行手形を簡単に出してもらうことができました。慶福にはおめでたいという意味も含まれます。お伊勢参りで伊勢名物の赤福餅を食べるのは、庶民の憧れであり、一生に一度あるかないかのおめでたいことだったのです。赤福の名前には江戸庶民の思いも含まれているのかもしれませんね。

赤福の新商品!4色餅とぜんざいを食べてみよう!

300年間不動の人気を誇ってきた赤福餅に、白餡、緑餡、黒砂糖餡と通常の赤福が入った「いすず 野あそび餅」が2018年に発売されました。100年以上ぶりの新商品で、緑餡は夏期は大麦若葉、冬期はヨモギが使われています。「いすず 野あそび餅」は折り箱に詰められ、購入個数は1人5箱まで。8個入りで税込み760円です。見た目が華やかで色々な味が楽しめるのでお土産にぴったりです。赤福五十鈴川店のみの販売で、数量限定のためすぐに売り切れてしまいます。先着順ですので、ゲットしたい方は早めに出かけましょう。

赤福には夏期限定商品の赤福氷、春・秋期間の冷やしぜんざい、冬期限定の赤福ぜんざいがあります。赤福氷は抹茶蜜のかかったかき氷に特製のお餅と餡が別々に入っていてボリュームがあります。さわやかな甘味の冷やしぜんざいと人気を二分する夏のスイーツです。温かい赤福ぜんざいは香ばしい焼き立てのお餅が入った冬の定番商品です。お値段は各税込み520円。店内飲食のみなので、お伊勢参りのついでにぜひ味わってみてください。

赤福餅の魅力を味わうなら店内飲食がおすすめ

赤福餅は賞味期限が短いのが難点です。夏期は製造日を含め2日、お取り寄せできる冬期でも3日と短いので遠方へのお持ち帰りは注意が必要です。冷凍すると本来のおいしさが損なわれてしまうので、作りたてが食べられる店内飲食をおすすめします。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 伊勢の銘菓「赤福」の形は何をイメージしている?

A.川の流れ

Q. 「赤福餅」の三本線の由来にもなっている、伊勢神宮を流れる川の名前は?

A.五十鈴川