「お好み焼き」と言っても、さまざまな種類がありますよね。有名なのは関西のお好み焼きと広島のお好み焼き(広島風お好み焼き)ですが、作り方がかなり違います。その広島風お好み焼きの中でも違いがあり、通常の広島焼きに砂ずりとイカ天が入ったお好み焼きがあるのをご存知でしょうか?
尾道のご当地グルメ「尾道焼き」
広島の中でも尾道で食べられるお好み焼きは、砂ズリ(砂肝)とイカ天(揚げイカ)が入るのが特徴です。基本的な焼き方は広島風お好み焼きと同じで、小麦粉を溶いた生地をクレープ状に薄く伸ばし、かつお粉をふり、キャベツ、もやし、麺などを順番に重ねていきます。そして、その上に炒めた砂肝とイカ天をのせたもの。広島風お好み焼きと区別して、「尾道風お好み焼き」または「尾道焼き」と呼ばれることが多いようです。
NHKの朝ドラで全国的に有名になった
尾道にあったお店が、NHK朝の連続ドラマ小説の「てっぱん」のモデルとなり、全国的にも有名になりました。主演の瀧本美織さんのお母さん役の安田成美さんは、尾道にある老舗人気店でお好み焼きの焼き方を習われたそうで、ドラマの中でも、とても上手に焼かれていたのが印象的でしたね。
尾道焼きの由来
現在、尾道にはたくさんのお好み焼き屋が軒を連ねていますが、尾道でお好み焼きが一般的になったのは、理由があります。尾道は昔から北前船(きたまえぶね)の寄港地として栄えた海運業の要所でした。波が少なく穏やかな瀬戸内海に面し、造船業に適した土地でもあり、造船では大量の鉄を使用するので、鉄加工が一般的になりました。そのために大きな鉄板を入手しやすく、「鉄板焼き」の文化が根付いたようです。鉄板焼きからお好み焼きが頻繁に作られ、やがて砂肝が入れられるようになり、「尾道焼き」と呼ばれるようになったと言われています。
尾道焼きが食べられる人気のお店
数え切れないくらい多くのお店がありますが、ここではいくつかご紹介します。
まず、おすすめしたいのは「お好み焼 村上」。尾道で最も人気のあるお店の1つです。「おばちゃん」と呼ばれて、常連さんに親しまれる女将さんの人柄のようにアットホームな雰囲気のお店。こちらで食べられる尾道焼きは、淡白なイメージがある砂ずりが脂身があって濃厚なので、お好み焼きとの相性ピッタリ。オリジナルソースも絶品です。
カリッカリに焼いた麺が魅力的なのは「お好み焼き あそう」。地元の方にも、観光客にも愛されているお店なので、お店はいつも大賑わいです。おせんべいのように焼かれた麺の香ばしさがたまりません。ソースは甘口と辛口の2種類あって、辛口は後をひくおいしさです。
「ぽっぽ家」は尾道商工会議所の隣にあるお店です。「昔焼き」と言って、油を使わないで焼いているのでヘルシーな尾道焼きがいただけます。鉄皿に盛られて提供される「尾道なつかし焼き」は豚肉、こんにゃく、かまぼこ、卵、れんこんといった具材が入っており、ボリューム満点なのにリーズナブルなのが嬉しいです。
おうちで作ってみよう
尾道まで行けない人は、家で作ってみましょう。
ボールにお好み焼粉、水、油を入れて混ぜあわせ、30分程度寝かせます。熱したホットプレート、もしくはフライパンを熱して油をひき、お玉1杯程度の生地を流し、お玉の裏で、薄くクレープ状にのばします。かつお粉、ざく切りしたキャベツをどっさり、茹でた中華麺をのせます。空いたスペースで砂ずりを炒め、塩・こしょうで味を整えます。いか天、砂ずり、紅しょうが、豚肉をのせて、お玉2杯程度の生地をまわしかけて裏返します。散らばった具材を寄せて縁を整え、火を通しましょう。ヘラで全体をしっかり押さえながら縁を整え、卵を割り落とし、黄身も一緒に丸くのばしてのせます。ソース、鰹節、青のりをかければ出来上がりです。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 砂ずりとイカ天が入ったお好み焼きで知られる、広島県の市は?
A. 尾道市