広島県呉市では白餡状のクリームが詰まったラクビーボール形のパンを指す言葉は?

広島県呉市民なら知らない人はいないと言われるくらい親しまれているパン屋さんの名物は、白あんのようなクリームが詰まったラクビーボールの形のパン。このパン、皆さんもよくご存知のパンの名前が付いているのですが、何だと思いますか?

「メロンパン」の「メロンパン」

昭和11年創業の呉の老舗のパン屋さん、その名も「メロンパン」。鮮やかなグリーンの建物にメロンを型どった看板が可愛らしいお店です。その「メロンパン」で一番の人気を誇るのが 毎朝、早朝からひとつひとつ手作業で焼き上げているという、戦前から続く呉名物の「メロンパン」です。

この「メロンパン」はラグビーボールのような、レモンのような形で、ふわっとした触り心地に反して、手に持つとずっしりとした重量感があります。それもそのはず重さは200グラム以上あり、中にはクリームがたっぷりと詰められています。カスタードクリームと書かれていますが、クリーミーさはなく、しっとりとした「白あん」のような食感です。カスタードクリームだと思って食べると、全然違うものなのでちょっと驚くかもしれません。ほんのりとした柑橘系の爽やかさも感じられて、しっかりとした甘さですが、ペロリと食べられてしまいます。

なぜ「メロンパン」となったのか

この「メロンパン」に「メロン」と付いた理由は、焼きあがった形が当時メロンと呼ばれて売られていた真桑瓜(マクワウリ)に似ていたから、と言われています。この「メロンパン」は、かつて軍港の町として栄え、多く居住していた旧海軍の人々にも愛され、そして地元の人々にも親しまれてきました。

ちなみに世間一般的なクッキー生地を被ったメロン型のメロンパンもあり、こちらは「コッペパン」と呼ばれます。呉では「メロンパン」と言えば、この白あんのようなクリームが入ったラグビー型のパンのことを差すのだそうです。

メロンパン以外にもおいしいパンがいっぱい

お店の名前は「メロンパン」ですが、メロンパンだけを販売する専門店ではなく、他にもたくさんの種類のパンが売られています。「嵯峨の小倉餡」と名前が付いたアンパンは、中にあんこがぎっしりと詰まっていて一人では食べ切れないのでは? と思えるほど。このアンパンと「ナナパン」と呼ばれるチョコレートパンは、メロンパンと並ぶ人気の品だそうです。野菜サンドや玉子サンド、牛カツサンドといったサンドイッチや、地元の人の定番食パンとして愛されている食パンもあり、お買い物袋いっぱいに買い込んでしまいそうです。

あの「戦艦大和」の誕生の地・呉

広島県南西部に位置する呉市はかつて軍艦業で栄えました。戦艦大和をはじめ、数々の戦艦や潜水艦を建造する東洋一の軍港としても知られ、明治時代以降、海上自衛隊の拠点にもなっています。

JR呉駅から海の方へ5分ほど歩くと巨大な潜水艦が目に入ってきます。こちらが「てつのくじら館」、正式名称「海上自衛隊呉史料館」です。この潜水艦は1986年から2004年まで海上自衛隊で実際に運航されていた本物で、内部を見学し、潜水艦の構造を「見て」「触って」「体感する」ことができます。

潜水艦の構造を勉強したなら、現役の潜水艦を見に行きましょう。「アレイからすこじま」は国内で唯一、潜水艦を間近で見ることができる公園です。港内にずらりと停留する海上自衛隊の潜水艦と護衛艦は迫力ですよ。

散策してお腹が空いてきたなら、カレーはいかがでしょうか? 呉ではレトルトカレーでも人気がある「海軍カレー」が食べられるお店がたくさんあります。ちなみに、海上自衛隊では毎週金曜日がカレーの日と決められていて、カレーを食べるそうです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 広島県呉市では白餡状のクリームが詰まったラクビーボール形のパンを指す言葉は?

A. メロンパン

Q. 一般的にいう「メロンパン」のことを、広島県呉市では何と呼ぶ?

A. コッペパン