福岡県で生産される「八女」や「合馬(おうま)」が特に有名。同県が全国1位の生産量を誇るのは?(平成20年度)

福岡県で有名な農産物は「あまおう」に代表されるいちごや八女茶がありますが、実は和食に欠かせないある食材も全国1位の生産量を誇っているのです。何でしょうか?

たけのこの一大産地がある福岡県

福岡県はたけのこの生産量が日本一で、北九州市小倉南区や八女市立花町などのたけのこの一大産地を有しています。

北九州市の竹林面積は約1,500ヘクタールに渡っており、市町村単位では全国有数の広さがあります。この豊かな竹林からおいしいたけのこが生産されており、中でも一番おいしい時期を見極めて掘り出される「合馬たけのこ」は、関西の市場でも最も単価の高い極上品として取引され、京都、大阪の一流料亭で指名されるほどです。また、八女市立花町は、たけのこ生産量日本一の町。八女市の土壌は赤土で、これはたけのこの栽培に適しています。ここで栽培された八女のたけのこはほんのりとした甘みの中に旨みがあり、やわらかくてみずみずしく食感がとても良いのが特徴です。

「合馬たけのこ」って?

福岡県北九州市でたけのこの生産が盛んな理由は、合馬地区の土壌がたけのこの栽培に適しているとされる粘土質の赤土だから。一般的な農作物の栽培には適さない水はけの悪い土壌が、竹の栽培には最適だとされているのです。合馬のたけのこは一般的な食用たけのこである「孟宗竹(もうそうちく)」ですが、ここで栽培されたものは味が良いのはもちろん、えぐみが少なく、歯ざわりも良く、香りを含め、どれをとっても最高級品。新鮮なものは生でも食べられるほどなのです。

春の味覚の王者、孟宗竹

孟宗竹は日本の自生種ではなく、江戸時代に中国から導入されたという記録がある竹です。孟宗竹のたけのこは最もおいしいと言われる品種であり、大きさや厚みも十分な食べごたえがあります。柔らかく歯ごたえのある白い実は甘みを含んだ上品な味わいです。

おいしいたけのこの選び方と保存方法

たけのこは伸び過ぎていたり、日にあたる時間が長くなったものはアクが強くなります。伸び過ぎていないもの、日にあたっていた時間が長いほど皮の色は濃くなるので、皮の色が薄い物を選ぶようにしましょう。また、細いものより太いものの方がおいしく、皮の部分がしっとりしていて乾いていないものを選ぶようにします。根元の周囲に赤いブツブツがありますが、このブツブツが少なくて色が薄いものが良いです。多くて、かつ色の濃いものはアクも強くなります。たけのこは掘り出された後、時間を追うごとにどんどんアクが強くなっていきます。できるだけ早く下茹でをするようにしましょう。茹でずに保存するのは厳禁。茹でたものは皮を剥いて水に浸した状態でフタをして冷蔵庫で保存します。こうすると、水を変えながら1週間程度は日持ちします。

アク抜きの方法

一般的なアク抜き方法として、ぬかなどを使って茹でますが、生の食感を活かしたい場合は、大根を使って加熱せずにアク抜きする方法もあります。大根をおろしてしぼり汁と同量の水を加え、そこに皮を剥いて使う大きさに切ったたけのこを浸けます。浸水時間はたけのこの質によって1~2時間で調節しましょう。こちらの方法だと茹でるよりも歯触りと風味が残すことができるので、天ぷらやたけのこご飯などにおすすめです。

たけのこの栄養価

たけのこに含まれる栄養素で注目すべきは、なんといっても食物繊維。便秘や大腸がんなどの予防に効果があります。カリウムが豊富に含まれているので、ナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果があるとされています。足などのむくみをとる作用も期待されています。ただ、アクが強いので吹き出ものやアレルギーに似た症状を起こすことがあるため、食べ過ぎには注意しましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福岡県で生産される「八女」や「合馬(おうま)」が特に有名。同県が全国1位の生産量を誇るのは?(平成20年度)

A. タケノコ