鹿児島の老舗百貨店である山形屋の「山形屋ファミリーレストラン」の名物「山形屋焼きそば」は年間約20万食が食べられ、絶大なる人気を誇っています。今回はこの焼きそばについて詳しくご紹介します。
一流デパートの隠れた鹿児島グルメ
山形屋の「焼きそば」は、一般的な「ソース焼きそば」ではなく麺が「かた焼きそば」である「あんかけかた焼きそば」です。長崎県の「皿うどん」と言えば、ご想像できるでしょうか。鹿児島市民も「焼きそば」と言えば「ソース焼きそば」や「塩焼きそば」なのですが、頭に「山形屋」が付くと、こちらのかた焼きそばを思い浮かべるほど地元では老若男女問わず人気の名物グルメなのです。
ボリュームたっぷりの山形屋焼きそば
山形屋焼きそばは、ちょっと太めの揚げた麺に、キャベツ、玉ねぎ、もやし、にんじん、豚肉、かまぼこ、イカなど具だくさんのあんがかかっています。そして、普通サイズでもボリュームたっぷりなのが嬉しい。味はやさしい塩味で、そのまま食べてもおいしいですが、各テーブルに必ずセッティングされている三杯酢をかけていただくと、まろやかながらも酸味が後味を引くおいしさです。
鹿児島の肉と言えば「かごしま黒豚」!
「薩摩の黒」と呼ばれるご当地グルメの一つ「かごしま黒豚」は、厳しい品質管理のもと、国内のみならず世界中の食通の舌を唸らせています。
かごしま黒豚のルーツはとても古く、約400年前の江戸初期に第18代藩主島津家久により、琉球王国から移入されたと言われています。一説によると、遥か中国大陸から海を渡って琉球へと渡ったとされています。奄美大島方面では100年ほども前から貴重なたんぱく源として飼育され、島つたいに薩摩へ渡り、その後、鹿児島の風土と密着して長年にわたって県内で生産されてきました。昭和30年代半ば、成長が早く育てやすく、経済効果の高い白豚の生産を増やすという動きもあったのですが、「量より質の時代がくる」と信じた生産者たちによる努力で「かごしま黒豚」は今では世界的にも有名なブランドとなりました。
鹿児島を代表する名産の1つ、サツマイモもかごしま黒豚と深く関わっています。台風が多い鹿児島では、災害に強いサツマイモは粗食に耐えられる黒豚にとって絶好のエサとなります。それだけでなく、サツマイモは黒豚の良質な肉質を作り出し、そのおいしさに貢献しているのです。
かごしま黒豚のおいしいメニュー
一般的には牛肉が使われることが多かった「しゃぶしゃぶ」ですが、豚肉のしゃぶしゃぶの知名度が全国に浸透したのは、かごしま黒豚があってこそ。しゃぶしゃぶはシンプルな調理法なだけに、使われる肉の品質のごまかしがききません。黒豚料理の代表格ともなった黒豚しゃぶしゃぶを食べてみれば、そのおいしさに病みつきになること必至です。しっかりとした肉質とうま味を楽しめるロース肉とかむほどに肉汁の甘みを感じるバラ肉の両方を楽しめるのも、かごしま黒豚のしゃぶしゃぶならではです。
鹿児島の郷土料理「黒豚の角煮(とんこつ)」は、豚のバラ肉を甘辛く煮込んだ角煮で、豚の骨付きあばら肉をつかうので「とんこつ」と呼ばれています。味付けに芋焼酎も使うことで臭みのないやわらかな味わいになり、おかずの一品としてはもちろん、居酒屋のメニューとしても定番の鹿児島ならではの味です。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 鹿児島の老舗デパート『山形屋』の名物料理「山形屋焼きそば」の特徴は?
A. 麺がかた焼きそば