愛知県で生まれたと言われている食文化をご紹介します。ドリンクを注文するとトーストやゆで卵などのメニューがサービスとしてついてくる太っ腹なところが魅力です。この記事では愛知県が誇るその文化をご紹介します。
喫茶店が盛んな愛知県のモーニング文化とは?
愛知県特有の文化として有名な「モーニング」。愛知県は喫茶文化がとても盛んで、県庁所在地である名古屋市にも大小多くの喫茶店があります。喫茶店は年齢を問わず連日多くの人が訪れ、愛知県民には欠かせないくつろぎ空間です。モーニングはそんな喫茶文化に欠かせない人気メニュー。なぜなら、一般的なモーニングサービスはドリンクとサイドメニューをセットにした金額で提供しているのに対し、愛知県のモーニングはドリンクの料金だけでサイドメニューがついてくるのです。つまり、サイドメニューはタダという非常にお得なところがモーニング文化の魅力です。
サイドメニューの種類もお店によって様々。トーストやゆで卵などのシンプルな軽食をつけるお店から、うどんやお味噌汁、お総菜などの和食メニューを提供するお店、中にはお店のパンがすべて食べ放題という壮大なサービスを行っているパン屋さんもあります。このように、愛知県のモーニングはお店によってバリエーションが豊富。なかなか朝食をとる暇がないほど忙しい会社員を中心に、どのお店も常連客で連日にぎわっています。
愛知県のモーニング文化の歴史
愛知県のモーニング文化は喫茶店の発展とともに生まれました。先に述べたように愛知県は喫茶店がとても多く、名古屋市内だけでもなんと4000件以上あります。その理由は当時の名古屋市の土地が全国的にも比較的安かったことがあげられます。市内には多くの老舗喫茶店がありますが、これらのお店が開店した昭和30年代から昭和50年代は土地代が安かったのでお店を持つことが比較的容易でした。そのため多くの喫茶店が作られて一気に喫茶文化が発達したと言われています。激しい競争の中で生き残るため各店ともにお店の独自性を模索し、それがのちに朝注文したドリンクに軽食のおまけをつけるモーニング文化として発展していきます。
実は愛知県の喫茶店は、モーニング以外でもドリンクを注文するとピーナツなどのおまけがつくお店が一般的。しかし県内で人気のカフェが全国展開した影響もあり、モーニング文化が広く知れ渡ることになりました。モーニングはお得感があるだけでなく、各店舗の個性や持ち味が光るサービスで、愛知県に行ったらモーニングを楽しみたい、という他県からの観光客も増えています。
日本史に欠かせない存在感を持つ愛知県
愛知県は日本の東海地方にある県で、県庁所在地である名古屋市は政令指定都市であり、中京圏最大の大都市として発展しています。岐阜県・長野県・静岡県に囲まれ、ちょうど東日本と西日本をつなぐ中間に位置する県です。愛知県は織田信長や豊臣秀吉、徳川家康など有名な戦国武将を生んだ県としても知られています。江戸時代には尾張藩として栄え、徳川御三家のひとつ尾張徳川家が藩主として国を治めました。このように愛知県の存在は日本史に欠かすことができない大きなものです。
愛知県の喫茶文化は、江戸時代に茶の湯を親しんだ尾張徳川家の影響がルーツという説もあります。江戸時代の尾張藩は、武家はもちろんのこと庶民も経済的な余裕があったため、茶の湯の道具を一式揃えている家庭も少なくなかったようです。人々は忙しい合間にもお茶の時間を欠かさない心の豊かさがありました。それがやがて愛知県の喫茶文化として発展し、モーニングというユニークで太っ腹な独自の文化を生み出したと考えられているようです。
愛知県に行ったらモーニング文化を堪能しよう!
味噌カツ・天むすと並んで愛知県の代名詞となりつつあるモーニング文化。愛知県に行ったらぜひ朝早く起きてモーニング文化を味わってみましょう。お店によって個性的でユニークなおいしいメニューを出しているところもあるようなので、ぜひ堪能して下さい。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 愛知県で生まれた文化とされている、喫茶店が朝の時間帯にドリンクやトーストを格安で提供するサービスを何という?
A.モーニング