愛知県のご当地グルメ「ベトコンラーメン」。この「ベトコン」って何?

日本の国民食のひとつにまでなっているラーメンは、日本各地でその土地の名産品や名物を活かして様々な種類のメニューが開発されています。愛知県にもご当地グルメ「ベトコンラーメン」があるので、この由来と魅力について紹介します。

「ベトコンラーメン」の誕生

「ベトコンラーメン」は、主に愛知県のラーメン店で提供されています。同じ名前で岐阜県のラーメン店でも提供されています。愛知県一宮市が発祥とされている「ベトコンラーメン」の歴史はとても古いです。その歴史は、初代店主が満州国の新京市で立ち上げたお店「新京」が生まれたことに始まります。1940年ごろには「ベトコンラーメン」の原型となるそばができており、1969年に愛知県の一宮市に満州国の店を引き継ぎ新京が誕生しました。忙しい開店作業に見舞われ、疲労や湿気、夏バテによって食欲不振になり、当時の調理担当者が回復料理としてニンニクととうがらしをふんだんに使用したラーメンを賄い料理として提供したとされています。

この味が満州国のラーメンの味と近く、メニューに取り入れたことから「ベトコンラーメン」が始まったそうです。疲労回復のためのラーメンで、店に訪れる多くの人々にも元気になってほしいという考えから、メニューとして提供できるまでに考えられて、誕生までこぎつけました。もともとは賄い料理として食べている従業員を見て常連客が注文するようになったことから始まったとされています。

「ベトコンラーメン」の名前の由来は、ベトナム戦争において活躍したべトコン(南ベトナム解放民族戦線)が関係しています。「ベトコンラーメン」が誕生した当時は、ベトナム戦争のさなかであり、ベトコンには勇敢なイメージがあり、それにちなんだものです。しかし、ベトナム戦争が激化していくと、食品の名称にはふさわしくないのではないかという話が出てきて、その由来を否定し、変更することになりました。後に、「ベトコンラーメン」を食べた客が「食べるとコンディションが良くなる」と語ったことから、これを由来としてベスト・コンディションの略とされるようになったそうです。

「ベトコンラーメン」の魅力

「ベトコンラーメン」は、ほかのラーメンに比べて、提供する店舗は非常に少ないです。愛知県の中でも名古屋圏内以外ではあまりみられることはありません。そんな希少な「ベトコンラーメン」の魅力は、やはりニンニクととうがらしが使用されているということです。そのどちらも使われている量は多いです。ニンニクは、丸ごとか、粗く砕いたものを数個使用して具となる大量の野菜を炒めます。さらにトウガラシで辛く味付けをして、スープを加えてゆで、ラーメンの上に載せます。具となる野菜も、ニラやもやしをたっぷり使用しており、スタミナがつくものです。

スープは鶏ガラベース、店によってはしょうゆや味噌ベース、豚骨ベースなどもありますが、いずれも風味豊かで、ニンニクととうがらしの風味とマッチします。スープや麺自体にとうがらしは入れていませんが、野菜炒めの辛さがスープに混ざり、全体的に辛さが際立ちます。似たようなラーメンにひき肉を使った台湾ラーメンがありますが、「ベトコンラーメン」には肉は使われません。肉が使われていないにもかかわらず、食べ応えはしっかりとあり、物足りなく感じることもありません。大きなニンニクが口に広がり、独特の味わいがあります。やみつきになる味わいが「ベトコンラーメン」の魅力です。

身体も元気になるベトコンラーメン

ベトコンラーメンは、愛知県の名古屋付近でしか食べることができないご当地ラーメンの一種です。ニンニクととうがらしを多く使って作られるラーメンで、食べれば元気になること間違いなしなので、愛知県観光の折にはぜひ味わってください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 愛知県のご当地ラーメン「ベトコンラーメン」。この「ベト」とは何のこと?

A.ベスト