うぐいす色のあんを餅にかけた、大阪府堺市の銘菓とは?

うぐいす色のあんを餅にかけた大阪府堺市の銘菓を知っていますか?豊臣秀吉とも関連があると言われ、700年以上も泉州の人たちに愛されてきたそのお菓子について紹介します。

大阪府堺市の銘菓の歴史

大阪府堺市の銘菓として「くるみ餅」という和菓子があります。くるみ餅と言えば「くるみゆべし」のように木の実の胡桃が入った餅を想像することでしょう。しかし、大阪府堺市のくるみ餅には、木の実の胡桃は入っていません。大阪府堺市のくるみ餅の「くるみ」とは、餅を餡で「くるむ」という形態から生まれた名前です。餅は白玉で、草色の餡は青大豆で作られたものですが、餡の原料の詳細は門外不出の企業秘密とされ和菓子業界でも謎となっています。

草色の餡は甘さ控えめで口当たりが良く、甘党でない人にも人気があります。しっかりした歯ごたえのある白玉もつるりとした喉越しが好評で、何個食べても飽きることがありません。くるみ餅は生菓子で時の経過と共に味が劣化するので、持ち帰りより販売店で食べるのがおすすめです。冷凍加工した製品もありますが、贈答品などには不向きかもしれません。くるみ餅の歴史は古く、1329年から大阪府堺市では和菓子職人がくるみ餅の製造を始めていました。当時大阪の泉州では田んぼの畦を活用できないか考えた末に、枝豆を栽培するようになっていました。この枝豆を摩り下ろして砂糖を加えて作った餡に白玉に添えた物が、くるみ餅のルーツになったと言われています。

安土桃山時代に豊臣秀吉が堺市に桃山御殿を建築した際に、くるみ餅を作っていた和菓子屋に現在まで続く屋号を与えたと言われています。700年も続く大阪府堺市の有名老舗和菓子店は、毎日行列ができるほどの盛況ぶりで、くるみ餅が売り切れになり次第閉店するという状態になっています。店が混む時間帯は、早めに席を譲るようにしており長居をする客はほとんどいません。くるみ餅の上にかき氷を乗せた「氷くるみ餅」も人気があります。明治時代に電気を使った冷凍が可能になって「氷くるみ餅」が発案されました。

大阪府堺市の有名老舗和菓子店なら、「氷くるみ餅」は夏の限定販売ではなく、一年中食べることができます。くるみ餅独特の濃厚な味わいにかき氷を添えることによって、さっぱりとした清清しい食感に変わります。かき氷をくるみ餅に混ぜながら食べると、かき氷の冷たさと餡の甘さが絡み合い、さわやかな風味を醸し出すのです。甘みが苦手な人も、氷を混ぜることによって甘さを薄めて食べやすい味にすることができます。

栄養豊富な青大豆

餡に含まれる青大豆にはタンパク質と脂質が豊富に含まれており、他の豆類と違って炭水化物が多くないので「畑の肉」と呼ばれていることはご存じの方も多いと思います。コレステロールを含んでいない点も特徴的です。大豆がバランスの取れた自然の栄養食と言われる所以です。青大豆は、他の栄養素としてビタミン・ミネラル・食物繊維なども含有されている健康食品です。ビタミン類として、ビタミンE・ビタミンB1が特に豊富で、ビタミンEは抗酸化作用が強く血管を丈夫に保ち、血中コレステロールの酸化や赤血球の破壊を防止し老化を防ぎます。

ビタミンB1は、代謝を活性化しエネルギーを作るうえで重要な働きをするため疲労回復に効果があるとされています。また、神経機能を正常に保持する働きもあります。ミネラル類にはカリウム・カルシウム・マグネシウムが多く、血圧を下げたり筋収縮を抑え心臓機能を安定させたりする働きをします。その他のミネラル類として、大豆には鉄・亜鉛・銅なども含有されており、骨の形成を助け、貧血を防止するなどの作用があります。大豆に多く含まれる葉酸は、赤血球の生成や身体の発育を助ける重要な役割を持っている栄養素です。

大阪府堺市を訪れたらくるみ餅を食べてみよう

大阪府堺市の銘菓であるくるみ餅は、作りたてを提供してくれる専門店で食べるのが一番です。くるみ餅と氷くるみ餅の両方を注文して食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. うぐいす色のまったりとした甘いあんを餅にかけた、大阪府堺市のお土産の定番の銘菓は?

A.くるみ餅

Q. 大阪府堺市の銘菓「くるみ餅」の材料で、使われないのは?

A.くるみ